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家具職人 blog

東京墨田区  特注家具 間中木工所の職人ブログです。主にお客様への進行状況のご連絡、完成写真や日々の写真をおつたえしてゆきます。
墨田区U邸 テーブル修理
12年前に大きなテーブルを2セット納品させていただいたお客様よりシミのようなものが表面にでてきた、、、というお知らせを頂きました。 
IMG_2870_R.jpg
職人の左手にある黒いシミです。 
IMG_2927_R.jpg
この時点でははっきりした原因がわからず、とりあえず表層の塗膜を強い溶剤で剥離してみました。 
IMG_2929_R.jpg
剥離剤を浸透させている画像です。 
剥離剤でもこのシミは消えなかったので、汚れではないと断定。
考えられる原因は2つ。   ①ナラ材のアク  ②カビ
■①アク→ナラ材の成分と鉄の成分が化学反応し、 表層に黒いシミができる現象。
 特に濡れた鉄(濡れた錆び)に反応する。 例えば鉄を濡れた手で触り、その直後にナラ材を触っただけでも
 数時間後に黒いシミ(アク)が表層に現れる。  他の材木ではチーク材やウォルナット材にも同じ
 現象がみられるが、元々素材がダーク色なので、 オークほど目立たない。 
 塗膜で覆ってしまえば、アクがでる可能性は低い。 

■②カビ→ 塗装をしたものでも 環境によって稀に発生する。

上記を踏まえ、表層のベニヤを剥がして内部を見てみることにしました。




内部はカビで浸食されていなく、きれいな状態でした。
シミは表層の0.5~1mm程度の範囲。 




■結論→今回、室内の納戸の中に畳と一緒に収納しておいた、、ということを考えると原因は、②の可能性が高い。
 しかし、濡れたフライパン等の金属を天板の上に置いた後、塗膜を通り越してアク(シミ)が出てきた、、という可能性も
 0ではない。
以上です。  よりナチュラル感を出す為に塗膜を極力薄くした、、というのも①、②を発生させる原因だったのかもしれません。

(製作:12年前の私   補修作業:荻島・目黒) 
 



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